2011年6月20日月曜日

「お付き合いする」なら、アリピプラゾール


ある慢性期の統合失調症の患者さんに、アリピプラゾールを試していた。
「著しい思考障害」をターゲットにしていたつもり。
診察をしていても、ひと固まりの意味をもつ会話をすることも難しい状態が、何年も続いている。

アリピプラゾールを主体とした処方内容に変更して、数ヶ月経過。
以前と変わらず、一つ一つの話がつながらなくて、会話として意味のある形にならない。
 
製薬会社の宣伝は、やはり宣伝としてとらえるべきだと再認識。
 
ただ、ボーとした感じは減っていたり、ろれつのまわりが良くなったりしているし、なんとなく以前よりは会話のつながりがあるような気がする。

定型抗精神病薬を長年使用されてきた人だから、もっと長い目でみてあげようと思っている。


発症初期の統合失調症の患者さんの治療。目標を「病状と上手くお付き合いする」ことに設定したとする。その時に、「薬物療法で、何を使いたいですか?」と聞かれれば、アリピプラゾールは第一選択薬の候補の一つに挙げる。

「治す」ことではなくて、「お付き合いする」ことが肝。

アリピプラゾールの鎮静の弱さは、認知機能の低下を引き起こしにくい。
疾患に対する受け入れや理解があれば、アリピプラゾールという薬は、患者さんの大きな味方になるんじゃないかと思う。


(twitterでつぶやいたときには、「コントロール」という言葉を使ってました。@twit_shirokuma氏のリプのなかで「お付き合いする」という言葉を使われていました。こちらの方が、語感もよいし、適切だとおもったので使わせてもらいました。ありがとうございます。)