2012年2月8日水曜日

これも「傾聴」だと思うよ


診察中の一つの場面。

二人の人間がいる。二人とも、黙っている。
よく見れば、片方は、時々何かを言おうとしているような雰囲気が出てくることがある。でも、声に出すことはない。
もう片方は、動じる様子もなく、軽い笑みを浮かべて、相手を静かに見つめている。

前者が患者さん。後者が自分で、これでも治療的なことをしているつもり




相談室. なんかおしゃれ.. / emailer



診察をしている時に、患者さんが途中で口ごもったり、何も言えなくなったりすることは、さほど珍しいことではない。
当然、医者の方は、患者さんが何か話し始めるのを待つことになる。



待つ時の心の持ち方や対応も、いろいろ。

例えば、診察を待っている患者さんが大勢いる状況では、時間の余裕が無い。斜め後方にいるスタッフの苛立ちも伝わってくるし。
早く診察が進めないといけないと思うと、どうしてもイライラした気持ちもでてくる。
そうなると、ついつい、早く答えるように急かしてしまったり……

治療の状況によっては、「今は答えられないかもしれないけれど、あなたは○○と思っていたんじゃないかなぁ」なんて言ってしまったり……

場合によっては、沈黙の状況になんとなく耐えられないと感じたり……



この待っている時間は、別に悪いものじゃないんだよね

ただ待っているだけでも、十分治療的なものがあるような気がする。

それは、医者の一方的な思い込みだと思われるかもしれない。
そうかもしれない。
でも、こちらが治療的だと思うことも大切じゃないのかな



患者さんが、なかなか言葉に出せずに言いよどんでいる。
こちらもそれを黙って待っている。待っていることも、治療的なものにしようと考えながら。
お互いに何も言葉を発していない時間。
でも、自分は、この時間の中で「傾聴」していて、治療行為をしている