2013年7月10日水曜日

躁状態の治療で、「裏切り」を感じる時

双極性障害で、躁状態に振れた状態で入院になった患者さんの対応。

治療開始した後、思いの外、治療に協力的になってくれることがある。これは、治療開始してから、早い時期に多いような印象。
その時に、”あぁ、この患者さんは、わりと病識があるんだな”と思いがち。
ところが、その気持ちが、後から裏切られるように感じることは、少なくない。



これは、躁状態の患者さんが、ちょっと落ち着きかけた時は、「気分高揚を伴った同調性」が発揮されることを考慮していないのが敗因。

患者さんの方が、治療者の働きに対して、ある種「気を利かせて」同調してくれているのに、それを治療側が都合よく解釈したにすぎない。

この段階から、治療が進むと、気分高揚が治まってくる。それは、症状が改善しているわけなんだけれど、この時には「治療による不自由さからの反発」が前面に出てくる。そして、治療への抵抗を示すようになったりする。
すると、「あんなに、こちらの言うことを聞いていてくれたのに、今は勝手なことばかり言ってくる」と、「患者さんからの裏切り」みたいなものを感じてしまう。


Confused / MoreSatisfyingPhotos.com



治療への同調から抵抗への変化を「裏切られた」ように解釈してしまう気持ちの流れ方は、妙に否定せずに、きちんと自覚的していないといけない
治療側から患者さんへの陰性転移のきっかけになることがあるからだ。
治療者はこの罠に、案外引っかかりやすいと思っている。違うかなぁ。

このあたり、他の治療者って、どう思っているのかしらん。


自分は、こういった感じで、双極性障害の患者さんを診る時、気分高揚とか、注意の転導性あたりにポイントを置いて評価をしているつもり。
躁状態の評価のポイントを、それぞれの医療者がどこに置いているのか。相変わらず、気にかかる問題。



...Understood / Jason Hutchens