2014年4月9日水曜日

マイ診断基準を作り上げよう

統合失調症でも、感情障害でもいいけれど、「この病気の本質は、◯◯である」という自分なりの診断基準
精神科臨床のレベルを上げるためには、これが必要になるんじゃないかと思っている。

こういった”マイ診断基準”を持っていると、治療の説明が変わってくる。
教科書やパンフレットの記述をそのまま読み上がるのではなく、患者さんや家族に応じて、患者さんの疾患について、「自分の言葉」で説明することができる。
「自分の言葉」による説明は、臨床の場面では、強い説得力があると信じている

”マイ診断基準”は、実際の治療経験の中で作り上げるしかない。
治療の中で、自分の頭で考えたり、身体で感じたりしたこと。そういうものが、診断基準を作り上げるための材料になる。ということは、自分自身を観察したり、思考を見なおしたりすることになる。
それなりに大変な作業になるはずだけれど、それはしかたがない。



一方、初期研修などで短期間だけ精神科を学ぶのであれば、素直にICDやDSMといった「操作的診断基準」を中心に考えるべき。
そういった医療者に求められるのは、「操作的診断基準」という共通言語に慣れることだから。共通言語は失敗の少ないスタンダードな治療を行うためにある。むしろ、乏しい経験にもかかわらず、疾患について分かったような気持ちで、治療的な振る舞いをすることのほうが問題。



Shot 4 / Indenture


”マイ診断基準”と「操作的診断基準」の二本立てで、診断を考える。
これはこれで、いろいろと悩むことが増えることになる。ただ、その悩みが精神科臨床の能力を鍛えてくれて、「面白いもの」だと思っている。